百花繚乱

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「黒咲藍」エンターティメント見聞録 -短編・随筆・コラム-

 「MAROON5と我が愛しのAdam Levineをかくも情熱的に語れるのは世界中探しても自分以外にいるわけがないと盲信している傍から見ればやや痛い女の私」
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 3月17日は朝から気乗りがしなかった。

 というのは、進路に関して朝っぱらから父親との口論に無駄なエネルギーを費やしたためであり、大学の事務のオネーチャンに分かっているのかいないのかすら分からないような対応を受けたせいでもあり、1週間前に胃潰瘍による病院搬送騒ぎで体調に不安を抱えていたからでもあり、とにかく、もとより繊細に出来ている私の心は悲鳴を上げていたのである。

 ここまでいうと大げさに思うかもしれないが、私が参っていたのは事実である。極めつけはこの日の約束の相手が母であることだ。

私には友達がいない。殆どというより皆無である。ある人が言うには、私は同性に嫌われるタイプであるらしい。

かといって大して異性に好かれたような記憶もないのだが。

 

 極度の交友関係の狭さから、仕事以外で外出する際、私は同伴者を親族の中から選ばなくてはならない。

 父は仕事人間であるので、彼の辞書には趣味の2文字は存在せず、加えて協調性という言葉も持ち合わせていないので、手元にある2枚のチケットをあてがうのに、私は母を指名せざるを得なかった。

 

 仕事終わりの母と合流してタクシーに乗り込んだ。私たちは無言だった。

 特に話すべきことがなかった上に、彼女は曲がりなりにも今朝の喧嘩相手の妻であり、それを考えると私の神経痛は酷くなる一方だった。

 おそらく母の耳にも入っているであろう、いい年こいた父娘の醜態について極力触れないようにしているうちに、車は日本武道館に到着して私たちはそこでおりた。  (つづく)

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